2024年03月11日 15:54

「天地人」が提供する、宇宙ビッグデータを活用した水道管の漏水リスク管理業務システム「天地人コンパス 宇宙水道局」を、弘前市上下水道部が国内八番目の自治体として採用した。

上水道の「水道管の老朽化」が原因で、全国各地で大規模な漏水事故が相次いで発生している。しかしながら、国内には約14万km(全体の19.1%)の管路が法定耐久年数を超えており、現状の手法では経年管の点検・維持・修繕を実施するには多額の費用を要する。さらに広域、かつ短期間で行うことは困難とされている。

「天地人コンパス 宇宙水道局」は、複数の人工衛星が観測したデータ(=宇宙ビッグデータ)やオープンデータから約100m四方の範囲内で漏水リスクの可能性区域を5段階で確認・管理できるクラウド型のシステム。漏水リスクの高低差を5段階に分けており、赤色は漏水リスクの最も高い場所を指している。本システムで日常的に漏水地点を登録・管理することで、AIが蓄積した漏水データを基に漏水リスクを再評価(精度向上が期待)することも可能。

2022年度に行った内閣府との実証実験や他自治体へのヒアリングを通して、本システムの期待できる効果は点検費用が最大65%削減、調査期間が最大85%削減とされている。本システムを導入することにより、事前に漏水調査範囲の絞り込みができるため、漏水の早期発見・早期修繕が図られ、業務の効率化や有収率の向上につながるものと期待される。