2024年02月16日 19:33

パナソニック ホールディングスは、カリフォルニア大学バークレー校、南京大学、北京大学の研究者らと、悪天候除去AIを共同開発した。本技術は多重悪天候画像に対する画像認識およびセグメンテーションタスクにおいて、パラメータを72%以上、推論時間を39%節約。また従来法より認識精度を上げられる画像復元性能を示した。
モビリティやインフラ分野など、屋外で利用される画像認識AIの応用が進んでいる。一方、屋外で取得される画像は天候の影響をうけるため、雨、雪、霧などの悪天候下では物体の見えが大きく変化し、認識精度が著しく低下する。
そこで昨今、全天候で利用できる実用的なAIを実現するために雨、雪、霧などを画像から除去する「悪天候除去(Weather Removal)」と呼ばれるタスクが注目を集めている。これまで、天候の種類に応じ異なるモデルを準備したり、全天候で利用できるようモデルを統合する手法も提案されているが、計算量の多さがネックとなっていた。
本研究チームでは、異なる天候のパラメータを重みで表現することで、少ないパラメータ数で高精度に天候の影響を除去。一つのモデルで、複数種類の天候とタスクに対応できる技術を開発した。本技術は、車載センサにおける危険検知やセキュリティカメラなど全天候で高精度な画像認識が必要とされる様々な場面での活用が期待できる。