2024年01月23日 12:52

日機装は、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないため脱炭素燃料として注目される液体アンモニア用のポンプを開発した。2026年にも市場投入する予定。
火力発電は日本の電源構成の7割を超えており日本の電力を支える電源だが、一方でCO2排出量が多いデメリットがあり、対策が求められている。火力発電のCO2排出ゼロに向けた第一歩目となる、石炭火力発電のボイラーにアンモニアを混ぜて燃焼させるアンモニア混焼は、混焼率に応じてCO2の排出量を削減できる。そのため、CO2の排出削減と電力の安定供給を両立するための技術の一つとされている。
このたび開発したポンプの特徴は、外部漏洩を防ぐためにモータ部まで液中に浸したサブマージド(没液)の構造。液体アンモニアは毒性・臭気があるため、外部に漏洩することを防ぐ必要がある。そのため、配管以外はモータ部も含めて液中に浸したサブマージド(没液)の構造となっている。またモータをポンプ内部に組み込んで密閉した、キャンドモータポンプの構造で腐食を防止。さらに、高い送液能力を実現するためクライオジェニックポンプ技術を応用している。
今後、火力発電よりさらに高揚程・大流量が求められるアンモニア基地での受け入れや払い出し用途への展開も視野に入れている。またポンプ単体の販売だけでなく、用途に合わせて必要な機器とポンプを組み合わせたパッケージ製品の販売にも力を入れていく。