2023年12月21日 18:39

fillerが運営する「CHIKIRI PROJECT」は、12月26日~30日、松屋銀座にて開催される「日本のかたち」に出店。国立劇場の舞台美術を製作してきた金井大道具と共同制作したアート「テアトルバック」と、一点もののアートピースを7点限定で発売する。

歌舞伎役者が演舞する檜(ひのき)舞台は、100年檜とも言われる無節の無垢材が使用され、所作・所作舞台と呼ばれる。足袋でしか上がることは許されていない所作は、幅909mm(3尺)、長さ3636mm(12尺)。節のない檜の板は非常に高価かつ、希少なので入手が難しく、舞台一面に敷き詰めるだけの1式を作るだけでも、材料調達からしてとても困難。

そんな檜を職人の手によって丁寧に鉋(かんな)をかけ、磨いていくと美しい光沢が生まれる。そこへ接着剤を使わない「忍び釘」と呼ばれる双方が釘になっている特別な釘を使用してつなげていく。一点もののアートピースはその、実際に長い年月舞台役者を支え続けた所作板を用いて、能や歌舞伎の舞台美術を手掛ける絵描きの手によって描かれた作品。

今回描かれた松羽目とは、能舞台に描かれる老松のこと。松羽目を使って上演される演目は「松羽目物」として親しまれている。伸びやかな直線と「塗りぼかし」によるグラデーションで描かれた葉の表現は、シンプルでありながらも奥行きを感じさせる表現となっている。価格は大が49万5000円(税込)、小が16万5000円(税込)。詳しくはこちら