2023年12月08日 16:15

春陽堂書店は、12月11日に春陽堂コミックス・RAMPOシリーズを刊行する。明治11年創業の春陽堂書店と江戸川乱歩は関わりが深く、1925年「一人二役」、翌26年には「モノグラム」を、春陽堂より発刊していた雑誌・新小説で発表。現在も「江戸川乱歩文庫 リニューアル版」として江戸川乱歩の選りすぐりの作品を文庫として刊行している。その中から第一弾として、「目羅博士の不思議な犯罪」「偉大なる夢」(1)「陰獣」の3作品を書籍として刊行するほか、電子版も併せて配信する。

「目羅博士の不思議な犯罪」と「偉大なる夢」(1)の2作は、江戸川乱歩の作品にインスパイアされたオリジナルストーリー、オールカラーコミック。主に縦スクロールで電子配信する。日本の伝統である本歌取り作品となっており、オールカラーで制作。また、電子版では縦スクロールを基本としている。

昨今、WEBTOONをはじめとした、縦スクロール・オールカラーの漫画が多くみられるようになってきた。春陽堂コミックスはこの流れを意識しつつ、日本の漫画の良さであるコマ割り展開や、濃密なストーリーを取り入れながら、現代の読者スタイルに合わせた作品作りを目指した。

「陰獣」は旧来のスタイルのモノクロの作品だが、さいふうめいこと竹内一郎さんが脚本を担当し、大英博物館に作品が所蔵されている吉田光彦さんが漫画化。ベテランのコンビにより耽美的な雰囲気を醸し出した、とても良い作品に仕上がった。