2023年11月27日 16:11

NEDOの委託事業である「ポスト5G 情報通信システム基盤強化研究開発事業」で、三菱電機と湘南工科大学は、世界初、AIデジタル制御機能を備えたポスト5G向け基地局用GaN増幅器を開発。動作実証に成功した。さらに、市販測定器を制御する独自プログラムを考案し、評価に要する時間を従来の100分の1以下となる30秒以下で完了できる高速評価システムの構築に成功した。
ポスト5G向け基地局では、高速・大容量通信を実現するため、高品質なデータを一度に大量送信する必要がある。ポスト5G向け基地局用GaN増幅器に求められる広帯域動作を実現するためには、従来の1入力型構成ではなく、2入力型構成の採用が有効。ただし二つの高周波入力信号を、動作周波数や出力電力レベルなどに応じて最適に制御する必要がある。
今回、独自の評価関数に基づき、GaN増幅部への二つの高周波入力信号を、三菱電機のAI技術を活用して、AIによるデジタル制御を実施。ポスト5Gで求められる水準を満たす動作効率40%以上を維持し、世界で初めて、業界水準のひずみ性能(ACLR)-45dBcと、動作周波数帯域幅4000MHzを両立したGaN増幅器の動作実証に成功した。
これらの開発成果が、ポスト5G情報通信システムの中核をなす基地局に実装されることにより、高品質データの大量送信および通信インフラの維持を目指す基地局シェアリングの実現に貢献する。