2023年11月27日 15:42

Quanmatic(クオンマティク)は、汎用ソフトウェアQANMLのMVP(minimum viable product)に、問題の分割・アニーリングを自動的に繰り返す「リボアニーリング法」を追加した。
現状の量子関連技術には、ハードウェアの不完全性や計算原理の性質によって、問題規模の制限や、良解の安定取得が難しいという課題がある。Quanmatic社は、これらの課題を解決するために、2023年7月に量子計算効率化アルゴリズムの汎用ソフトウェア「QANML」をリリース。これまで、使用する変数の個数を削減するダークスピン法と、良解への収束性を高めるマルチスピンフリップ法を搭載した。
今回新たに、早稲田大学戸川研究室の研究に基づく「リボアニーリング法」を搭載した。本手法では、問題の分割・アニーリングを自動的に繰り返すことで、問題規模の制限という課題を緩和。実問題で多いといわれる100万ビット規模の問題も、アニーリング式量子コンピュータを用いて求解可能にする。また50万ビット程度の問題でも、本手法を使わない場合に比べて5~10%解精度の向上が見込まれる。
搭載したアルゴリズムは汎用性が高く、アニーリング式量子コンピュータにおいて、QUBOで表現可能なあらゆる組合せ最適化問題に対して適用可能。これまで制限されていた規模の問題に対してもアニーリングが可能になり、現実世界の組合せ最適化問題への活用事例を広げることができると考えられる。