2023年08月17日 12:47

フィード・ワンは、魚粉を使用しないマダイ用の無魚粉飼料「サステナZERO」を8月1日から販売開始した。
近年、天然の海洋資源の枯渇問題が深刻化する中、水産用配合飼料は天然魚を主成分とする魚粉を主な原料としており、天然資源保護の観点から問題視されている。一方で、養殖の需要は世界規模で年々高まっており、持続的な養殖業の発展のために魚粉に依存しない養殖技術の開発が求められている。フィード・ワンでは、従来より魚粉の割合を低減した低魚粉飼料を開発・販売しているが、今回、無魚粉飼料の開発に成功し、「サステナZERO」の製品化を実現した。
魚粉は魚の成長に必要なアミノ酸組成と高い嗜好性を兼ね備えた原料だ。そのため従来の無魚粉飼料では、それを補うための高単価な微量栄養素や添加物が多く必要とされ生産コストがどうしても高くなる傾向にある。また、魚の嗜好性が低下することにより、成長にばらつきが出やすい等の課題もあり、実用的飼料とは言えない面が多くあった。今回発売する「サステナZERO」はフィッシュソリュブルの採用等、原料面の工夫により高い嗜好性を実現しており、飼料のアミノ酸バランスを最適化することにより従来の魚粉を使用した配合飼料と比較しても生産コストを抑えながら同等の成長性を実現している。また、魚粉の代替タンパク質として植物性・動物性原料を複数組み合わせることで、将来の原料環境の変化への対応も想定している。製品開発段階では過去に例を見ない9万尾規模の海洋生け簀での大規模な野外試験を行っており、実証性を重視した製品となっている。