2023年08月16日 19:04

日本能率協会コンサルティングは、経済産業省の「令和3年度補正 産業保安高度化推進事業費補助金」「令和4年度補正 スマート保安導入支援事業費補助金」を通じて、産業インフラの安全性・効率性の維持・向上を支援している。このたび、令4和年度の交付事業者の補助金活用事例を紹介した。
イオスエンジニアリング&サービスは、風力発電所運用に最適化した国産統合操業管理システムを構築、実証事業を終了した。本事業は、スマート保安技術を導入する際の技術実証を国が支援する「令和3年度補正 産業保安高度化推進事業費補助金」を利用したもの。
風力発電施設は山間や僻地の立地環境も多く、アクセス性や作業の危険度において過酷な業務が強いられてきた。これらを解消すべく遠隔モニタリングや点検作業デバイス等を用いてきたが、そもそも風車用途に最適化&統合化されたものがない。また風車メーカーの大半を占める海外企業製のツールは、データ格納方法やデータ取得スパン等さまざまな面で国内の保守ニーズにマッチしない点も。
そこで補助金を活用して、「統合SCADAシステム」「メンテナンス支援ツール」「電気的CMS(サーモカメラ監視システム)」の3項目を開発した。風車メーカーごとに異なっていたデータフォーマットを最適化&統合化したこと整合性を確保し、旧型施設からのデータ取得を実現。風力発電に特化したデータベースを根幹とした「使い勝手の良いシステム」とすることができた。将来的にはツールを活用したリアルタイムでの情報共有により、点検品質向上も望める。