2023年08月10日 15:46

東工大発ベンチャーの「elleThermo(エレサーモ)」社と旭化成エレクトロニクス(AKM)が、90℃以下の熱を活用した各種デバイス稼働の実証実験を実施した。
エレサーモは色素増感型太陽電池における「色素の光励起」を「半導体の熱励起」したに変えて発電する熱エネルギー変換技術STCの研究開発を進めている。一方、AKM はエネルギーハーベスティング向けの独自の回路技術により、一次電池を使用しないサステナブルなシステムの実現を目指している。
これまで、身の回りの小さな環境エネルギーは収集されずに、捨てられていた。AKMは独自の回路技術により、「1 μWで起動開始する昇圧回路」と「収集したエネルギーのうち、26 nA で動く充放電制御回路」をワンチップに内蔵した、昇圧DC/DCコンバーターを開発。身の回りの小さな環境エネルギーの収集に取り組んでいる。
この度、本昇圧DC/DCコンバーターと、室温程度の低温帯の熱で発電するSTCとを組み合わせることで、低温帯の熱を活用したエネルギーハーベスティングに関する実証実験を実施。実験の結果、80℃の恒温槽の熱で2時間以上の電気信号送信、及び90℃の水中下で発電し、赤色LEDが点灯することを確認した。今後、AKMとエレサーモは、AP4470及びSTCを活用し、より身近に存在する、室温付近の熱エネルギーを電力として活用できるよう研究開発に取り組んでいく。