2023年07月20日 15:29

コスモスイニシアとヤマムラは、昭和レトロをテーマに古材を活用した商品企画に共同で取り組み、リノベーションを施した「ステーションプラザ代田橋」の1室を7月から販売開始した。

これまでの日本では、次々に建物が建ち、古くなると壊され、また新たにつくることが繰り返されてきた。しかし昨今では、環境負荷の軽減という観点から既存の資源や建物などのストック活用が奨励されるようになった。リノベーションもストック活用の一つだが、内装には新品の材料が使われることが多い。本企画ではそこから一歩踏み込み、建物再生に力を入れているヤマムラの建物再生室とコラボレーション。昨今のレトロブームにも着目して、「捨てられてしまう古材を使うからこそ価値がある」新しいリノベーションのカタチを目指した。

今回は、室内の印象を左右する「建具」に古材を取り入れた。リビングドア・トイレドア・廊下収納の扉・洋室のクロゼット引き戸・キッチン腰壁の組子は谷中・千駄木付近で引き取られ、ヤマムラで保管されていたもの。広縁の5枚障子戸・洋室ドア・洗面室ドアは、すみだ向島地域の古民家で使われていたもの。またシューズクロゼットは、タンスをリメイクし、靴箱として再利用した。

そのほか、表面がざらついた砂壁風のクロスにレトロなスイッチパネルを組み合わせるなど、細部に配慮された素材の重なりが空間全体のバランスを整える。どこを切り取っても絵になる、都心で働く忙しい人がオンオフを切り替えられる、特別な空間に仕上げた。