2023年06月05日 09:57

モリマシナリーは、岡山大学、両備システムズと共同で、熟練者の経験知をもとに切削工具の欠け・摩耗・寿命を推定するAIを開発した。
工具を自動で交換し段取り替えを省くマシニングセンター(MC)内にあり、工具を自動搬送する工具マガジン(切削工具収納庫)を製造するモリマシナリーは、国内トップクラス(約1万台以上)の実績をもち、2018年より、切削工具の摩耗状態を可視化し、適切に管理するシステム「ツールソムリエ」を開発・販売してきた。しかし、摩耗状態可視化のためには工具ごとに撮影箇所の設定が必要となることや、多くの工具の中から最適な工具を選択し、摩耗状態を見て使用可否を判断する熟練者が減少しているといった課題があった。そこでツールソムリエをベースに、これまで熟練者に依存していた工具の欠け・摩耗・寿命をAIで判断することを目的とし、工場の生産性向上を支援する「AIツールソムリエ」の研究開発を行った。
この研究開発は2020年度の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)に採択され、AIを用いた研究開発等を行っている岡山大学・両備システムズと共同で実施した。各推進内容について開発・実証実験を行い、AIツールソムリエの実証機を完成させた。主な成果は、多品種・少量データにおいても工具摩耗を高精度に判定する「AI方式の高度化」、多種多様な工具においても熟練者判断を実現する「最適工具選定システムの開発」、熟練者ノウハウを伝承する「AIツールソムリエ実証機開発」。
詳しい内容について(PDF) / モリマシナリー / 両備システムズ / 岡山大学