2023年06月02日 19:31

アバノス・メディカル・ジャパン・インクは、日本で約800万人が患っている「変形性膝関節症」について、新たな治療方法「末梢神経ラジオ波焼灼療法」を発表した。本治療は、令和5年6月1日から保険適用が開始された。新サービス「ひざ痛い.jp」を通じて、ラジオ波治療を知り、受診できる病院を探すことができる。

本治療は、「変形性膝関節症」は、膝のクッションとして働いている関節軟骨がすり減っていくことにより、骨や軟骨が変形し、擦れて痛みや腫れを生じる病気。進行すると階段のみならず、平地での歩行にも支障をきたすようになる。既存の治療方法としては、鎮痛薬やヒアルロン酸関節注射等といった「保存療法」と「手術療法」がある。「保存療法」は比較的簡易に行えるが効果の持続期間が短く、手術による治療は年齢、身体や費用面での負担が大きい。

「ラジオ波治療」では、既存の保存療法で奏効しない患者に対して、末梢神経に高周波電流を供給し、神経を加温・凝固(焼灼)させることによって治療。日本で唯一、変形性膝関節症に伴う慢性疼痛の軽減を図る目的で承認を取得した、冷却機能付き高周波システムを用いて、超音波ガイド下で手技を行う。

米国で実施したラジオ波治療の臨床試験(治験)では、痛みの程度が半分になったという割合は74%であり、痛み度合いの平均は10段階(10が一番痛いと感じる段階)のうち3~4だった。低侵襲な方法で長期的に痛みを緩和できる効果が見込まれるため、通院頻度の低減が期待されている。