2023年05月22日 09:48

阪神電気鉄道が運営する阪神甲子園球場は、5月19日、「第41回日本照明賞」を受賞した。
日本照明賞は、照明学会が日本の科学、技術、産業、芸術、文化の水準を高め、世界に誇りうる照明にかかわる優れた業績を顕彰するもので、今回の受賞は2022年にLEDにリニューアルした阪神甲子園球場のスタジアム照明が評価された。
今回のリニューアルでは、パナソニック エレクトリックワークス社の技術により、光色が異なるメタルハライドランプと高圧ナトリウムランプを組み合わせた伝統的な照明手法「カクテル光線」を特注LED照明器具で再現し、ナイターにおける温かみのある情景を踏襲した光環境を実現するとともに、2色の光が混ざった状態で4K・8Kのテレビ放送規格にも対応する高い演色性を有している。また、ステージ照明などで用いられる通信規格であるDMXによる制御が可能な調光システムを導入することにより、鉄塔照明での文字・図柄の描写ができるようになり、試合を盛り上げるダイナミックな演出が可能となった。
照明学会による選定理由はこちら。「カクテル光線発祥の球場として、照明光色を特色として打ち出し、球場への愛着とともに光色への愛着を、施設更新時においても継続を熱望するまでに醸成させ、その光色を維持したうえで、多用途な球場に必要な視環境条件を満たす照明施設を最新の技術で実現した。新たな挑戦である照明塔光源による画像表示演出は、その先駆けとなり、今後広く波及することが期待される」。