2023年05月09日 15:30

鹿島は、カーボンネガティブコンクリート「CO2-SUICOM」(シーオーツースイコム)を用いた埋設型枠を、高速道路の橋脚工事に初めて導入した。
これにより、通常排出されるCO2を100%削減し、さらに10%のCO2を吸収。橋脚1基あたりの温室効果ガス(CO2)の固定化量は59kgとなる。また、埋設型枠(コンクリート打設後も取り外すことなく構造物の一部として使用される型枠)とすることで、脱枠作業の省略による橋脚工事の工程合理化も実現した。
CO2-SUICOMは、コンクリート製造時のCO2排出量を実質ゼロ以下、つまり人間の生産活動で排出されるCO2を減少させることに世界で初めて成功したコンクリート技術。具体的には、コンクリートの主原料となるセメントの半分以上を特殊な混和材「γ-C2S」や産業副産物に置き換えることで、セメントの製造時に排出されるCO2を削減。さらに「炭酸化養生」を行うことで、コンクリートが固まる過程でγ-C2Sが大量のCO2を吸収・固定する。
セメントや骨材などの材料起因による本埋設型枠のCO2排出量は、207kg/m3。この埋設型枠を製造時に炭酸化養生することで、229kg/m3のCO2を吸収させた。これにより、本埋設型枠の実質CO2排出量は、▲22kg/m3に。今回、本橋脚に設置した埋設型枠のコンクリート総使用量は2.68m3であるため、CO2総排出量は▲59kgとなった。