2023年05月08日 15:40

エクサウィザーズは京都大学と共同で、「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」の事例の医薬品医療機器総合機構(PMDA)による、過去の評価結果を学習させた評価AIを開発した。

薬局ヒヤリ・ハット事例は年間あたり10万~18万件程度報告されており、そのうちPMDAの調査対象となる事例は年間6000~7000件程度発生している。PMDAによる調査対象は増加傾向にあり、報告評価の効率化が期待されるが、報告データにはテキストデータが含まれており、報告項目の単純な場合分けでは評価の自動化が難しいという課題があった。そのためAIの活用による効率化が期待されていた。

エクサウィザーズと京都大学は共同で、PMDAが実施した過去の評価結果を学習させた安全対策要否の評価AIを開発。2020年度時点において、対策が必要となる事例を「見落としを最小化する」指標であるRecallにおいて、96%の精度を出すことに成功した。また、2021年度および2022年度の調査対象事例を対象とした検証では、人による評価が必要と判断される事例をすべて抽出することを確認した。

その後、「AIによる評価」と「検証結果によって導き出されたルールによる評価」を組み合わせた評価モデルを開発。検証時においては対策が必要となる事例の「見落としをゼロ」にしながら、既存の抽出条件を適用したのみの場合と比較してPMDAの調査対象事例を約50~60%削減できることを実現した。今後、人による評価を併用しながら試行的に実務に導入して有用性を確認し、本格導入の適否を検討する。