2023年03月27日 15:55

防災テックベンチャーの「Spectee(スペクティ)」が提供するAI自動音声システム「AIアナウンサー・荒木ゆい」を活用した音声案内システムが、神戸市の防災行政無線で導入されることが決定した。AIアナウンサー「荒木ゆい」は、人工知能を活用して、人に近い自然な発音やアクセント、イントネーションを習得し、ニュース等の原稿を自動で読み上げるバーチャル・アナウンサー。
神戸市では平成24年度から、デジタル防災行政無線を、海岸部や河川部、緊急避難場所など災害発生時における重要箇所に設置している。これまで防災行政無線は、市役所内の操作卓にて担当者が読み上げる必要性があった。AIアナウンサー「荒木ゆい」の導入により、インターネット環境があればどこからでも防災行政無線の放送が可能になる。
また、災害発生時にAIアナウンサー「荒木ゆい」を活用することで、防災行政無線の放送に慣れていない職員でも、簡単な操作で文章の作成や放送設定を行える。これまでより、効率的かつ効果的な放送が可能となる。
東日本大震災時には南三陸町で当時24歳の職員が、防災無線で避難を呼び掛け、最終的に津波にのまれて亡くなるというような悲劇もあった。災害発生時は、職員も被災者となり、安全な場所に避難する必要がある。AIアナウンサーの活用により、外部からの防災行政無線の放送や、ドローンを活用した避難誘導も可能になり、より安全な災害対応ができると考えられる。