2023年03月22日 15:56

芝浦工業大学デザイン工学部デザイン工学科の吉武研究室、オリコ、トッパンフォームズは、視線計測と脳波計測を用いてWebサービスの認知とUI・UXに関する共同研究を実施。ユーザーがサービスを利用する際、行動のきっかけとなる無意識のイメージ(メンタルモデル)が構築されやすいかどうかを分析する新手法を確立した。

メンタルモデルの構築の促進要因と阻害要因を把握できれば、今後印刷物やWebに促進要因を盛り込み、阻害要因をなくすことで、メンタルモデルが早く構築できるようになる。具体的には芝浦工業大学とトッパンフォームズが保有する視線と簡易脳波計測装置で、オリコの会員サイト「eオリコ」上でのメンタルモデルの構築状況を計測した。

視線計測では、2パターンとも、2~3回目で視線の移動距離が少なくなっていたことから操作する場所がイメージできていると判断でき、メンタルモデルが構築されたと判明。所要時間に関しても、視線の移動距離に比例していた。脳波計測では、メンタルモデルの構築されていない1回目は「沈静」以外の平均値が高く、1回目は「ワクワク」「イライラ」しながら利用していたことがわかった。

本研究では、メンタルモデルの構築の促進要因と阻害要因は、視線の移動距離や滞留などから判断できることが判明。また、使い続けても「いつも使いづらい」や「時々使いづらい」ケースがあり、視線データでなくても所要時間などがわかるWebなどの「ログデータ」でその要因を特定できる可能性があることがわかった。