2023年03月02日 15:22

北洋硝子社が作り上げる青森県伝統工芸品「津軽びいどろ」は、不要になった漁業用のガラス製浮玉を回収しアップサイクルしたグラスウェアシリーズを、3月下旬より順次発売する。

同社は1949年、青森県青森市で漁業用の浮玉を製造する工場として創業。1973年には浮玉国内トップの生産高となった。しかし時代とともに樹脂製の浮玉が主流となり、漁港に積み上げて放置され、処分に困った地元の漁業協同組合から北洋硝子へ相談が寄せられる。かつて浮玉製造を担ってきたガラス工場として、「今ある資源を無駄にしたくない」「青森の美しい景色を守りたい」との想いから、ガラス製の浮玉を回収し、製品化が実現した。

網を外し綺麗に洗浄した後、水分を拭き取り、粉砕・溶解を経て職人の手で再度成形。浮玉はもともと日本酒などの一升瓶をリサイクルして作っていた。色ガラスや特別な加工などは一切せず、浮玉再生ガラスのみで溶解する事で自然な色合いに。

発売される「DOUBLE F -UKIDAMA EDITION-」の特徴は、漁業用ガラス製浮玉100%再利用ならではの、何とも言えない深みのある青緑色。一輪挿しや花器、風鈴の丸みのある形はかつて浮玉だったことを彷彿とさせ、ピッチャーや蚊遣りには青森の大海原の波模様を施した。一度に溶解する浮玉は約100個。例えば1つの浮玉(約3kg)から、約24個の風鈴がアップサイクルされる。販売価格は4400~3万800円(税込)。