2023年02月10日 16:06

「食文化」社の運営する豊洲市場ドットコムでは、近畿大学農学部農業生産科学科の学生たちが作った、なら近大農法(ICT農法)のイチゴのECサイトでの販売を開始する。また今後の展開として、メロンの取り扱いも予定している。

なら近大農法では、農作業の負担軽減のために、肥培・日照・温度の管理が最も重要と考える。土壌センサーと日照センサーを連動させた装置によって、作物(イチゴやメロン)に水分と液肥が自動的に供給。これらの情報は蓄積され、スマートフォンなどで遠隔地でもデータを確認することができる。また、ハウス側窓の自動巻上げ機が温度センサーと連動しており、ハウス内の温度をほぼ一定に保つために自動的に開閉が行われる。

例えば、イチゴのマニュアルは、いちごの縁F代表の藤原大輔さんの指導と、研究施設などのイチゴ栽培ノウハウを合わせた形でデータ化。そこにいつ・どのような作業を行ったのかを、リアルタイムで細かく記録・保存し、次年度以降の栽培を同条件で行うために用いられる。新規就農者は、この栽培記録に基づいて栽培すれば、安定した収量で良質な果実を再現できる。

こうした完全自動化肥培管理システムの導入は、農作業の時間を大幅に削減。栽培面積にもよるが、専業農家であれば1人で行うことが可能だという。同学科では2017年から、ICT農法を用いた栽培を開始。2017年に収穫されたメロンは400玉。さらに、効果的に水や液肥を与えることで生産性も上がり、収穫量と品質の安定化へとつながることが期待される。詳しくはこちら