2023年01月17日 19:05

太陽工業は、道路災害発生時の早急な復旧を支援する土のうに代わる仮設大型水のう「ハイウェイデルタ」を、中日本ハイウェイ・メンテナンス中央と共同開発し、製造を開始した。

地すべりや土石流、がけ崩れなどの土砂災害は近年増加傾向にある。国土交通省によると2021年までの10年間は、それ以前の10年間と比較すると年平均の発生件数が約1.3倍に増加している。道路斜面でこうした土砂災害が発生した場合は、土砂撤去などの応急処置をしたのち、道路へさらなる泥水や石が侵入することを防ぐ必要がある。「ハイウェイデルタ」はこうした泥水や石を防ぐための仮設大型水のうだ。防水性の高いシートを用いて製作した三角形の長い袋体で、伸ばして敷設し、その中に水を注入することで強固な水のうとなる。これまでの土のう(トンパック)に代わる防災ツールとして軽量で、コンパクトに折りたたんで収納でき移動も容易で、すばやく設置できる。何回でも使用することができるため環境や資源にも配慮している。

「ハイウェイデルタ」は同社の水害対策製品「デルタチューブ」をもとに、中日本ハイウェイ・メンテナンス中央との協力により、約1年半をかけて道路脇で使用可能な製品として改良した。三角形の形状を見直し、道路の方向を分かりやすくする矢印反射板や保護マットなど道路脇で必要なものを装備して製品化している。同製品は1月より、中日本ハイウェイ・メンテナンス中央から全国の道路維持修繕業務を請け負う会社や自治体を対象に販売される。

太陽工業