2023年01月17日 15:45

レゾナックは1月、次世代通信規格6G向け半導体の新材料開発を、分子設計レベルから進めるプロジェクトを立ち上げる。横浜市にオープンした同社のR&Dの中核拠点「共創の舞台」で、ベンチャー企業や大学と協業して取り組む。

6Gの新材料開発では、通信速度が5Gの100倍となるため、伝送損失を大幅に削減する新しい半導体材料が求められている。この課題に対し、同社は素材合成の段階からゼロベースで開発に取り組んでいく。新材料の開発で必要となる特性を出すために、どの材料をどう組み合わせるかは、分子設計の段階からシミュレーションやAIを活用して探索。これにより、従来は見出すことが出来なった化学構造式を、短期間で導き出すことが可能になる。

こうした開発を支えるのが、基盤機能のプロフェッショナル集団。「共創の舞台」には、同社の強みである計算科学、材料解析、量産化のための製造プロセス技術・設備管理、化学品安全管理・評価の専門機能を持つメンバーが集結し、開発を支える。

「共創の舞台」では、中長期の社会課題の解決をテーマとして扱う。最初に取り組むテーマは、6G向け半導体材料以外にはケミカルリサイクルがある。2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、プラスチックの原料であるエチレン等を使用済みプラスチックから直接作る方法を探っている。今後、自治体や生活者などの幅広いステークホルダーとの対話や共創を通じて、課題の解決を目指す。