2023年01月16日 15:34

ジェイテクトは、2022年10月、電動化対応における一つのソリューションとして、超幅狭軸受「JTEKT Ultra Compact BearingTM(JUCB)」をリリースした。本製品の開発では、MBD技術を活用することで軸受の幅寸法を極限までコンパクト化。加えて、世界最速レベルとなるdmn200万の高回転速度対応も実現した。
高速回転で軸受を使用する場合、大きな遠心力や玉の進み遅れによる影響で、保持器の破損や軸受内部の急激な温度上昇が懸念される。同社はMBD技術によって、高速回転中における軸受内部の負荷状態と温度分布を予測し、耐久性を担保しながら昇温を抑制することができるバランス設計を実現。従来の標準サイズ軸受の冠形保持器に対して、合わせタイプにすることにより、非常に小さな断面積ながら遠心力による保持器の変形を抑制することが可能に。保持器と他部品との接触による発熱量を、従来比で80%削減できることを確認した。
通常、高速回転用軸受の保持器には、剛性や耐熱性、耐久性に優れる高価な樹脂材料を採用する必要がある。しかし、開発品では保持器材料の変更を行うことなく、省スペース化と高速化を同時に実現できることを目途づけした。
実際に軸受を高速回転させる評価試験において、JUCBは標準サイズ軸受よりも高速回転時の温度上昇を抑制することができ、世界最速レベルのdmn200万の高速性能を達成。eAxleをはじめとした幅広い駆動ユニットの小型化・軽量化に貢献できることが期待される。