京都岡崎「蔦屋書店」は、アーティスト・岡田舜（おかだ・しゅん）さんの個展「stage」を、2023年1月14日～31日の期間開催する。岡田舜さんは、ファミコンの画面と「バグ」を主な題材にした絵画を制作するアーティスト。学生時代より一貫してバグの画面をキャンバスに投影し、途方もない手作業の反復によって絵の具を重ね創作をしている。

岡田さんの作品を目の前にすると、崩れたデジタルの画像からは想像もつかない迫力と物質感に圧倒される。現実でバグ画面と相対した際のいらだち、戸惑い、悲しみといった感情までもが作品に昇華されたようにも感じられる。バグをひたすらに模写することは、岡田さんにとって、自我を滅却するためのひとつの生きる方法とも言える。

「stage」と題された本展では、ゲーム画面をスクロールするような展示構成で、新作を含む9点を展示発表。キービジュアルとなる「Water fall」は、滝の画面を拡大して描かれたF50の力強い3連作。今ではノスタルジー感さえある一つの時代の象徴的なアイテムである「ファミコン」。そのバグ画面という特殊な瞬間に魅入られ、画面と立ち向かい、試行錯誤し別世界を見出す岡田さんの視点を、それぞれの記憶と重ね合わせてみることができる。

また作品は、店頭にて1月14日10時より販売。アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」でも同時に販売する。詳しくはこちら。