2022年12月06日 15:40

パナソニックは、これまでに開発してきた植物由来のセルロースファイバーを高濃度に樹脂に混ぜ込む技術を、生分解性の植物由来樹脂(ポリ乳酸)等へ展開。完全生分解性の成形材料を開発した。生分解性樹脂にセルロースファイバーを高濃度添加することで、機械特性と生分解性に優れた成形材料として開発することに成功した。
既存の生分解性樹脂は、ポリプロピレン等の汎用樹脂と比べると強度や耐久性が低く、用途が限られている。さらにセルロースファイバーと混ぜ込むと流動性が低く、複雑な形状の成形が難しいため展開先が限られていた。そのため、植物由来のポリ乳酸を含む複数の生分解性樹脂をブレンドし、適正な添加剤を加えることにより、1mmの薄肉成形も可能な生分解性と高弾性率を両立する成形材料を開発。
また、従来のkinari(セルロースファイバー55%)同様、着色自由性が高い白色の樹脂ペレット化に成功。素材そのものを褐色化させることも可能で、木質感などの高いデザイン性も実現できる。開発した成形材料は日本バイオプラスチック協会が認証する「生分解性バイオマスプラ」マークを取得している。
今後、完全生分解性セルロースファイバー成形材料の特徴と優位性を活かし、家電筐体や車載機構部材、大物家電外装や美容家電、服飾衣料品や日用品、また飲料・食品容器等への展開を進める。このような取り組みにより、樹脂使用量の低減を通して持続可能社会の実現に向けた企業活動を推進していく。