2022年09月30日 15:35

応用地質社は、創立メンバーとして参加する「防災コンソーシアム」の分科会の取組みとして、防犯カメラ等の映像から浸水状況を即時把握するAI解析モデルを開発した。

今回開発したAI解析モデルは、深層学習手法の一つである畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を利用した画像解析技術を使用したもの。防犯カメラがとらえた対象物を画像から判断し、水面の位置を把握することで浸水深を解析する。実証実験後にデータ検証を進めた結果、開発したAI解析技術によって把握した対象物の解析浸水深と、防災IoTセンサの計測値との誤差は数cm以内であった。そのことから、発災の予兆や状況を捉えるという用途として十分に活用可能な技術であることが確認でき、実証実験は成功した。

本分科会では2019年10月の大雨で多くの被害を受け、防災対策に力を入れている千葉県茂原市の協力を得て、2022年10月よりフィールド検証を実施する。検証は映像解析モデルの精度向上を目的としたもので、洪水ハザードマップをもとに浸水が懸念される地点に防犯カメラを設置して実施する予定。

また、併せて防災IoTセンサを設置し、カメラ映像とセンサデータとの連携やユースケースについても更なる実証を進める。今後は、実証実験で得られた技術の実装に向けた取組みを加速し、2023年度中の「リアルタイムハザードマップ」の事業化を目指す。