2022年08月23日 09:55

長野県茅野市は、市民の移動を支える新しい地域公共交通サービスとして、AI乗合オンデマンド交通「のらざあ」を8月22日から運行開始した。
茅野市では、市域が広く車社会が定着していることや、バスの運行が「不定期」、「運賃が高い」、「行きたい場所へうまく乗り継げない」などの要因から路線バスの利用者が年々減少してきた。一方で車を運転できない高齢者や学生・生徒などの移動手段の確保が大きな課題となっている。
AI乗合オンデマンド交通については、当初6カ月ほどの期間を実証として運行し、その後、茅野市新地域公共交通検討会議において協議し8月22日から本格的に運行開始することとした。なお「のらざあ」は、茅野市の方言で「乗ってみよう」を意味する「乗らざあ」に由来し、実証運行時から使用しており、市民にとっては親しみのある愛称となっている。「のらざあ」の主な特徴は、定時定路線バスに替わる移動サービスとして乗合オンデマンド交通を導入、複数の交通事業者(バス事業者、タクシー事業者)による同一システムを利用した共同運行、スマホアプリによる予約とコールセンターを利用した電話予約の両立、AIを活用した配車や最適ルートの決定、停留所と仮想停留所(アプリ内に表示)による約8000カ所の乗降場所。
「のらざあ」の運行に併せ、これまで運行してきた定時定路線バスの13路線を9月末で廃止し、廃止路線の運行エリアを「のらざあ」の運行エリアとしている。観光エリアについては、当面は観光路線バスを継続しつつ、茅野市版MaaSとしての今後のあり方について検討を継続していく。