2022年07月29日 12:06

新明和工業は、このたび、リサイクルした炭素繊維を部品の一部に用いた試作品を、8月2日から東京ビッグサイトで開催される「下水道展’22 東京」に参考出展する。

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)は、その軽量・高強度な特性から、航空機分野などで多く使用されており、自動車分野や風力発電分野などで需要の急増が予想されている。一方、CFRPは製造過程で多くのCO2を排出し、また、加工過程で発生する端材の廃棄処理にかかる環境負荷が大きな課題となっている。

CO2排出量・環境負荷低減を目的として、同社流体事業部および航空機事業部は、富士加飾と共同で、CFRPのリサイクルの実現に向けた取り組みを2020年から進めてきた。今般、その成果の一つとして、流体事業部の主力製品「低速水中ミキサ」および「縦型低動力撹拌機」のプロペラの材料に再生CFRPを使用した試作品が完成。試作品に使用した再生CFRPは、航空機事業部の工程廃材を富士加飾の技術により再生したもの。

富士加飾のリサイクル技術の最大の特長は、成型済みCFRPやその中間材料であるプリプレグから、形状、物性の劣化がほぼみられない新品と同等の炭素繊維を回収。新品と同じ用途での再利用を可能とした点。今回の試作品は、このリサイクル炭素繊維の用途の一つとして、同社製品への適用を試行した。今般の試作を機に、同社では富士加飾との連携をさらに強化し、加工技術および量産体制の確立に取り組んでいく。