2022年07月14日 19:00

IHIエアロスペース(IA)は、マルチコプター型ドローンで、重いペイロードの運搬と長時間飛行の両立を実現させた、エンジンと電気モーターによるハイブリッドドローン「i-Gryphon」を開発。その試作2号機を、7月20日~22日に東京ビッグサイトで開催される「第8回 国際ドローン展」に初めて公開する。
eコマースの拡大や、日本社会の少子高齢化による輸送分野での人手不足に対しても、電動ドローンは省人化・無人化の切り札として、ビジネス用途を広げることが期待されている。しかし、バッテリーの性能限界により滞空時間を長くできず、近距離輸送に用途を絞った適用に留まっているのが現状だった。
多くの電動ドローンおよびマルチコプターが搭載しているリチウムイオン電池は、ほかのバッテリーと比較して軽量だが、長時間飛行するためには十分な軽さとは言えない。バッテリーをフル充電した場合、40分ほどの航続時間が確保できるが、荷物を満載した場合(約30kg)、数kgのバッテリーで航続時間が5分~10分ほどに留まり、重量物積載と長時間飛行の両立が課題となっていた。
IAは、この課題を解決するため、バッテリーの数十倍の質量エネルギー密度を持つガソリン・ロータリエンジンを、大出力ダクテッドファン2基用の駆動源として採用。電気モーターと併用することで、重量物積載と長時間飛行の両立を可能とした。加えて、従来機に比べ安全性・操縦性・運用性を向上させる技術開発にも取り組んでいる。