2022年07月14日 16:03

愛知県豊橋市はスタートアップと共同し、市内の水路で水位と周辺の雨量を観測、蓄積したデータをもとに、雨量と水位の関係性の「見える化」(数値化)に取り組む。7月下旬にも観測機器を設置し、観測を開始。来年3月に成果が取りまとめられ、中小の河川や水路の氾濫対策につなげる。

観測するのは、静岡県境でもある豊橋市中原町の日東電工豊橋事業所に隣接する、豊橋市が管理する水路。局地的大雨などで急激に水位が上昇し、水路の水があふれ、事業所敷地内への洪水、浸水害の恐れがある。こうした課題に対し、豊橋市は、愛知県が運営するスタートアップ支援拠点「PRE-STATION Ai」から紹介を受け、同拠点に入居する「RainTech(レインテック)」と共同で取り組みを進めることに。7月1日に連携協定を交わした。

具体的な取り組みは、現場流域に適した観測用の水位計(カメラ付き)と雨量計を低コストで開発・製造。水位上昇地点や周辺、水路の上流「平山池」に設置し、降雨量と水位を観測。さらにパソコンやスマートフォンで観測数値や画像を見られたり、危険水位を知らせることの3つ。これにより、状況を把握するために現場へ見に行く手間も危険も防げる。

予定では、7月下旬にも観測が開始され、来年3月に取り組み成果がまとめられるスケジュールになっている。また、蓄積した観測データをもとに、降雨量と水位をいずれも数値で予測するモデル構築の研究も進めていく。