2022年07月12日 19:36

国立映画アーカイブ 展示室にて、8月2日~11月27日、展覧会「脚本家 黒澤明」が開催される。本展では、黒澤の名作群を新たに脚本の視点から分析。在野の黒澤明研究家グループの全面的な協力を得て、最新研究の成果を一挙に公開する。
映画監督・黒澤明は、幾多の名脚本家に支えられて次々と傑作映画を生み出したが、その若き日から、世界の文豪たちの影響を受けながら、自身もシナリオを執筆することで成長した。この展覧会は黒澤のこうした側面に着目し、「七人の侍」(1954年)をはじめとする名作脚本の生成・変更の過程を分析。また、他の監督たちに提供した脚本、新たに発見された未映像化脚本も加え、「シナリオ作家黒澤」の創作の秘密を解き明かそうとするもの。
これまでドストエフスキー、シェイクスピア、山本周五郎と黒澤映画の関係についてはよく論じられてきたが、黒澤は、実はバルザックやそれ以外の多くの文学作品からも強いインスピレーションを受けている。
本館は、2010年の「生誕百年 映画監督 黒澤明」展のあとも、ポスター展「旅する黒澤明」(2018年)、「公開70周年 映画『羅生門』展」(2020年)と、展覧会を通じて黒澤映画の先端的な探求を推し進めてきた。黒澤作品の専門家の全面的な協力を得て、そのシナリオ術に照準を当てた本展覧会は、その研究の最新形となる。詳しくはこちら。