2022年07月07日 09:57

京都フュージョニアリングは、世界で初めて核融合発電システムによる発電を試験するプラント「UNITY」の基本設計を完了し、2024年末の発電試験開始に向けた建設プロジェクトに着手した。

核融合は、世界のエネルギー問題を根本的に解決し得る究極のエネルギー源として長年研究が重ねられてきた。近年その実用化に向けた動きが世界的に加速し、米英では2040年までの核融合による発電計画が発表されている。しかしながら、従来の研究開発はプラズマ領域に集中しており、核融合発電の実用化に不可欠な熱取り出しなどの発電機器の開発やプラント全体のエンジニアリング技術は未だ途上段階にあった。

同社は京都大学発スタートアップとして、プラズマ加熱装置、熱取り出しブランケット、高性能熱交換器、水素同位体排気循環装置を始めとした一連の特殊プラント機器群において世界有数の技術力を有するエンジニアリング企業。同社は今回、「核融合炉からの熱取り出し」並びに「発電」に用いられる一連の特殊機器を核融合発電所の実環境に近い条件下で統合的に開発試験することを目的として、世界初となる核融合発電試験プラント「UNITY」(Unique Integrated Testing Facility、独自統合試験施設)を建設する。

「UNITY」はその基本設計を終え、現在国内の複数のパートナー企業との協業により建設に着手している。今後2023年3月までにプラントの中核となる液体金属ループの一次建設を完工し、2024年末に世界初となる発電実証試験の開始を予定している。

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