2022年06月28日 19:34

パンチ工業は、複数の金属部品や素材を、加圧しながら加熱することで一体化する技術「P-Bas(ピーバス:Punch Bonding and sintering)」の技術開発を進めている。このたび、当該開発に関連し、北海道立工業技術センターの運営管理を行っている函館地域産業振興財団と、プラスチック成型金型用の高機能な粉末合金の開発に関する共同研究契約を締結した。

プラスチック金型に使用される素材は、プレス金型用と比較し、耐摩耗性や高熱伝導率、ミガキ性や非磁性、防錆性や表面処理との相性など、成形する製品により様々な性能が複合して求められる。これらの要求に対して、同社では、既存の材種では網羅出来ていない分野が多くあると考えている。

そこで道工技センターとの共同研究により、まずはプラスチック金型に用いる素材の開発に取組むこととした。開発した新素材は、同社が金型部品の素材に用いる他、要望に応じて販売することを予定している。

今回の共同研究課題は「金型用粉末合金の開発」。焼結の技術を活用して、粉末冶金法による高強度のプラスチック成形金型用の、高機能な粉末合金の開発を行うことを目的としている。粉末合金の製作、製作した材料の各種分析、分析結果に基づく材料設計等を共同で研究する。同社が金型部品製造で培ってきた高度な金属加工の経験と、道工技センターの有する材料開発の知見及び経験豊富な技術者、多様な設備を用いることで研究開発の効率化を図っていく。