2022年06月27日 12:00

ニチリウ永瀬と九州大学は、誰もが農業に参入しやすくなる未来を見据え、共同研究をスタートする。

現在、日本の食を支える農業経営体の数は、2020年の調査では約107万件で、2015年の調査から30万件ほど減少している。そして、少子高齢化や都市部への人口集中の影響で農業の担い手が育たず、新規就農者の約4割は5年以内に離農している。このままでは、長年培われた生産技術が途絶え、安定的な食糧の確保が難しくなってしまう。この課題を解決するためには労働力を軽減しながら安定的に収穫し、一定価格で市場へ供給できる営農環境が必要不可欠となる。そこで、ニチリウ永瀬と九州大学大学院農学研究院は、まず「キュウリの自動栽培システム」の開発に着手した。このシステムは今後、施設栽培の野菜全般(ナス、ピーマン、メロン、イチゴなど)に活用していく見込みだ。

共同研究の内容は、低コストで収量を倍増させるキュウリの自動栽培システムの開発。AIがキュウリの収穫量を減少させる要因を早期に特定し、自動で空調管理、施肥、水やりを行うシステムを開発する。現在普及しているビニールハウスに低コストで設置することが可能で、収穫量を現在の平均反収より倍増(50t/10a以上)させることを目標にしている。2023年度にはAIへのラーニングを開始し、自社システムの開発に着手していく。

期間は4月1日~。実施場所は、九州大学農学部附属農場及びニチリウ永瀬研究農場。

ニチリウ永瀬