2022年06月21日 16:22

JAPAN NANO研究所は、最小1nm(ナノメートル)という、従来生成が困難とされてきた極小微細ナノ結晶粒子を安定的に生成する独自技術の開発に成功した。この技術を基に、6月より、京石産業滋賀工場にて、ナノ粒子量産設備の稼働を開始。量産体制を整えることで、がん治療、半導体の高集積化、新エネルギー開発など様々な産業分野のイノベーションに繋がるナノテクノロジーの実用化を加速させる。

JAPAN NANO研究所は、様々な産業分野での応用が期待されるナノテクノロジー、ナノマテリアルを専門とする研究開発型企業。2020年9月、長年にわたりナノマテリアルの研究を進めてきた京石産業から分社独立する形で発足した。

同研究所では熊本大学との共同研究により、超微細ナノ粒子を安定的に製造する新技術「プラズマ急速加熱冷却法」を考案。平均粒径2nm以下、最小1nmの超微細ナノ粒子の製造に成功した。この新しい製法は、2020年7月に京石産業と熊本大学が共同で特許出願している。非常に急な温度勾配を作り出すことで物質を微粒子化する「プラズマ急速加熱冷却法」は、高品質で大量のナノ素材を、低価格で市場に供給するために極めて有効な技術。

JAPAN NANO研究所と親会社である京石産業は、ナノ粒子量産に向けた研究開発を進め、6月に京石産業滋賀工場にて量産設備を稼働させた。この量産設備は、第一弾として銀(Ag)のナノ粒子を配合した、抗菌剤の商品製造ラインとして使用される。