2022年06月08日 15:37

全国有数のりんごの産地である長野県飯綱町では「いいづな事業チャレンジ」と銘打ったビジネスコンテストを2018年から実施。産業振興と創業支援を積極的に推進することで、地域活性化と持続可能なまちづくりを進めている。そのような中、第5回いいづな事業チャレンジでの事業提案の一つに、「りんごレザーという選択」と題した、SORENA(ソレナ)社代表の伊藤優里(いとうゆり)さんのビジネスプランがあった。

これまで、主に堆肥や家畜飼料として使用していた「りんごの残渣」が、「りんごレザー」という新たな商品として誕生することで、新たな産業創出のチャンスとなる。また、りんごによる循環型社会の構築と持続可能なまちづくりに向けたシンボリックな事業として、大きな可能性を感じるものだった。

そこで、合成皮革製造加工事業者(共和レザー)や県内の粉砕加工業者等と連携。長野県工業技術総合センターや各種機器メーカーの協力を得て、りんごの搾りかすを粉末化。その粉末を原料にしたりんごレザーのサンプル製作を共和レザーに依頼して、りんごレザーの試作を重ねてきた。

その結果、ついに実用化に向けた目途が立ったことから、飯綱町、SORENA、共和レザーの三者による「りんごレザー共同開発契約」を締結。本格的な製品開発・商品化に向けたプロジェクトを始動させるとともに、本年中の革小物の商品化と販売が実現する予定。次世代に引き継ぐ持続可能な社会への小さな一歩が、「りんごの町・飯綱町」からスタートする。