2022年05月30日 19:45

ギャルリーためなが京都にて、6月10日~7月18日、現代スペインリアリズムを代表するロレンツォ・フェルナンデス展が開催される。

フェルナンデスは、1970年スペインのマドリッドに生まれ、14歳から伝統的なスペインのバロック絵画技法を学ぶ。その後、コンセプチュアル・アート(概念芸術)の第一人者であるペドロ・カルヴァンに師事。やがて伝統性と現代性を併せ持つ独自の画風を築きあげ、現在ではスペインリアリズムを牽引する存在として、世界の注目を集めている。

写真には焦点を外すアウトフォーカスと呼ばれる技法があるが、フェルナンデスは、この表現をしばしば作品に応用。その一方で、セザンヌやピカソ同様に多肢に亘る角度から画面を構成し、写真とは一線を画した創意あふれるフェルナンデス独自のリアリズムを創り出している。モチーフは画家の周りに在る子供の頃の遊び道具やモノクロ写真、そして薔薇のつぼみなど。それぞれが過去と未来を象徴するなど見る者に真意を問いかける。

ギャルリーためながの歴史は1969年銀座に始まり、二年後の1971にはパリの画廊街として名高いマティニヨン大通りに日本人初の画廊を構え、同年大阪にも開廊。以来、西洋絵画の名品をコレクターに届けると同時に、才能ある画家を育成し世に送り出してきた。昨年、日本文化を育んだ京都を新たな舞台に。京都国立博物館、三十三間堂がある鴨川ほとりに在る明治の町屋を改装、現代美術の画廊としての挑戦を行う。