2022年05月30日 16:19

広島県府中市の山の中にある家具を中心に製造する木工メーカー「伝統工芸株式会社(DENTO)」のオリジナルスツール「LISCIO(リッショ)」から、藍染スツールが誕生した。本製品は、同県の福山市山野町で藍の栽培から染めまでを一貫して行う「藍屋テロワール」の、若き藍師・染師の藤井さんが染めを手掛けている。

藍液に浸す・乾かすを繰り返して木に色をなじませていき、きれいなブルーに仕上げていく。座面、脚を一つ一つ手作業で染めていくため、藍の風合いや木目の浮かび方が商品によって異なり、木が見せる表情が一脚一脚違うのも魅力。

「LISCIO」の特徴は、伝統的な「天然灰汁発酵建て」による藍染であること。藍屋テロワールの工房がある山野町で育てられた藍の葉を天日干しし、約120日かけて発酵させて染料の軸となる蒅(すくも)が完成。蒅と灰汁、貝汁、ふすまを混ぜ合わせ、微生物の力で染料を仕上げていく。無垢材との相性もよく、化学染料とはひと味違う、天然の藍ならではの奥深きブルーが浮かび上がる。

「LISCIO」には材質が3種類あるが、今回はそのなかでも木目がくっきりと、美しく浮かび上がる「オーク」を使用した。座面と脚が取り外せる商品なので、分解した一つ一つを手作業で丁寧に染めており、染め残しもなくきれいな仕上がり。また、衣類などへ色移りの心配がないように仕上げの塗装も行っている。今後は、鉄媒染や柿渋などの草木染めのスツールも登場する予定。価格は一脚 3万5000円(税込・初回限定販売)。購入はこちら