2021年11月に開設した新国立劇場の映像配信プラットフォーム「新国デジタルシアター」の新たな配信作品として、演劇「あーぶくたった、にいたった」が決定。5月20日より1カ月間、無料配信される。

2020年春以降、同劇場では、新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの公演中止を余儀なくされた。その一方で新たな試みとして、公演映像のオンライン配信事業にも取り組んできた。その反響を受け、より多くの幅広い世代に、時や場所を選ばずに新国立劇場の舞台芸術を鑑賞してもらうために、「新国デジタルシアター」を開設した。

今回配信する「あーぶくたった、にいたった」は、電信柱やベンチのある簡素な空間を舞台に「小市民」たちを描いた、別役実さん作の不条理劇の傑作。登場する男1、女1といった名もなき人々の何気ない会話が徐々に展開を見せ、思いもかけなかった大胆な創造世界に大胆に飛躍していく…。本作は、小川絵梨子演劇芸術監督就任の2018/2019シーズンから始まった「こつこつプロジェクト」第一期にて、西沢栄治さんが演出に取り組み発表。2021年12月に、新国立劇場の本公演として上演された。

今回は、演出を手がけた西沢さんの撮り下ろしインタビュー映像もあわせて配信される。配信期間は5月20日12時～6月20日12時。「新国デジタルシアター」では、配信作品は今後も随時追加。新国立劇場とより多くの観客との出会いの場となるとともに、舞台芸術の新たな鑑賞スタイルの一つになることを目指す。