2022年05月17日 19:51

順天堂大学は医学部附属静岡病院において、同院の救急診療科と駿東伊豆消防本部、AVR Japanと連携。3月1日より、病院搬送前救急活動にスマートグラス(VUZIX M400)を試験導入し、有効性の検証を実施している。

スマートグラスは、現場の状況を映像と音声によりリアルタイムに遠隔へ伝送し、双方向にコミュニケーションを図ることが可能なデバイス。病院内におけるスマートグラスの活用はすでに他施設より報告されているが、今回の取り組みは「医療×消防×企業」の多機関連携であり、本邦初の取り組み。

今回の試験導入では、病院搬送前救急活動において、救急隊員がスマートグラスを装着・起動。患者さんの状態や変化、バイタルサインの推移、12誘導心電図などの情報を、搬送先の医師や看護師に、リアルタイムに映像と音声により伝送する。伝送された情報を院内でリアルタイムに共有することで、病院到着前のより早い段階で、院内各部署の診療体制や治療方針の検討・決定につながることが期待される。

現在は、救急隊員と院内で待機する医師との通信手段は携帯電話による通話のみで、情報共有は音声だけで行われている。しかし、スマートグラスを活用することで、撮影の手間をかけることなく、搬送時に映像による情報共有が可能に。それにより、搬送先の受け入れ準備がスムーズに進められるほか、搬送中の重症外傷や脳卒中、心血管系疾患に対して院内医師による的確な緊急処置の指示が可能となる。