2022年05月17日 15:36

学校給食業務を受託運営する「葉隠勇進」では、SDGsの「12.つくる責任つかう責任」を重点課題の1つとし、学校給食の食品ロス削減に力を入れて取り組んでいる。このたび受託先である板橋区内の小学校で、白飯の残食を減らすために汁物調理でだしとして使用した大量の昆布を佃煮として提供することで、残食率を2%にまで抑えることができた。

食品ロス削減への取り組みが広がりつつあるなか、同社でも、可食部分を多く残し、残菜が減るように野菜の皮むきを工夫する。残食が多いメニューに興味をもってもらえるよう工夫するなど、さまざまな取り組みを実施している。今回は、調理員のアイデアで残食率を大きく抑制することに成功した。

この日の献立は、生姜焼きと根菜汁に白飯。調理員として経験豊富な同社の吹野順子さんは、児童が先におかずを完食し、白飯を余らせてしまいそうだという印象を受けた。そこで「だしに使用した昆布を佃煮として提供すれば、白飯の食が進み、残食も削減できるのではないか」と考え、実際にその日の献立に加えることに。

だしを取った後の昆布を細切りにし、砂糖と醤油で甘辛く味を付け、給食釜で30分間煮詰めれば、佃煮の完成。佃煮のおかげで、児童たちは白飯を一緒に食べ、この日の白飯の残食率は2%弱だった。これは、児童たちに人気がある丼ぶりやカレーライスなどの献立のときとほぼ同率の残食率となる。同社では、子どもたちの成長に欠かせない「安全でおいしい給食」に加え、今後も「思い出に残る給食」の提供を目指す。