2022年04月28日 10:01

フジタと日本コンクリート工業は、既存杭の撤去孔を効率的に、均質な改良土で埋め戻す「FUNC-RES工法」を共同で開発した。

既存の建物を解体し、同じ敷地に新たに建物を建てる場合、新設建物の杭の打設予定位置に既存建物の杭が残っている場合は既存杭を引き抜く必要がある。従来工法では既存杭を引き抜いた後の孔にセメント系固化材などの改良材などを投入して埋め戻すが、細長い孔内では十分な混合が難しいため不均一となり、このような位置へ新設杭を打設する場合は、既存杭の干渉のない位置に打設する場合と比べて施工能率が落ち、通常の新設杭打設より工期が長くなる場合がある。

同工法は既存杭の撤去孔に堆積した超軟弱土を適切な強さ、かつ均質な土質に改良し、その後の新設杭打設の施工効率を向上させるもので、施工期間や施工機械の稼働時間が短縮でき、CO2排出量削減だけでなく、周辺の生活環境の負荷低減も期待できる。2021年、千葉県柏市内のマンション建替え工事において同工法を採用し、その実効性を確認した。

今後の展開としては、既存杭を撤去して新設杭を打設する場合で、特に既存杭が新設杭に干渉することが想定される案件について積極的に提案、適用していく予定だ。同工法は「FUNC-RES工法―杭引抜き孔の再生改良工法―」として日本建築総合試験所において2020年4月に建築技術性能証明を取得。また、工法および撹拌装置の特許を出願中だ。

フジタ / 日本コンクリート工業