2022年04月11日 19:43

新国立劇場は、「ロビー・ヒーロー」公演チラシができるまでを紹介する。

新たな舞台作品が生まれる時、その作り手からまだ見ぬ観客へ最初に届けられるのが「公演チラシ」。こだわりと想いが込められたそれらは、情報伝達ツールであると同時に作品の一部でもある。

5月6日開幕「ロビー・ヒーロー」公演チラシ創作は、劇場・カンパニースタッフとデザイナーによるイメージ共有(2021年11月下旬)に始まる。作品の意図をデザイナーに伝える打合せでは、デザイナーによる初回のラフ(イメージ案のようなもの)を元にあらゆる観点から意見を交換し、ラフの決定へと進めていく。次に印刷会社とデザイナーによる色校正のやりとり(2022年1月下旬)を行う。デザイナーは数回に渡り色校正を確認し、印刷会社はその指示書を元に最終色校へと進める。そしていざ、印刷会社へ(2月初旬)。印刷物のベースとなる版づくり。次に調色。文字通り、「インクの色を調える」というプロセスとなる。

そしていよいよ印刷フロアへ。それぞれの版とインクをセッティングし、一斉に印刷を開始、完成へのラストスパートへ。デザイナーからの全ての指示書をチェックしながら、抜けや漏れ、相違がないかを多くの人がその手で触れ、目で確かめる。最後に、印刷されたものをサイズに応じて断裁する。

たくさんのアイデアと想いをのせた「ロビー・ヒーロー」のチラシは、こうして形になる。そして、少しでも広く多く届くように「チラシ束」が作られ、観客の手へと渡っていく。