2022年04月01日 09:34

順天堂大学医学部附属浦安病院は、入院患者に対して、術後の合併症や有害事象を回避し、入院生活の質的向上と原疾患の早期回復を図るため、「口腔ケア室」を開設した。
口腔ケアとは、口腔の疾病予防、健康保持・増進、リハビリテーションによりQOLの向上をめざした科学・技術。具体的には、検診、口腔清掃、義歯の着脱と手入れ、咀嚼・摂食・嚥下のリハビリ、歯肉・頬部のマッサージ、食事の介護、口臭の除去、口腔乾燥予防、などがある。
順天堂大学医学部附属浦安病院「口腔ケア室」開設の背景として、大学病院における口腔ケアの目的には、主に術後合併症としての肺炎予防や、悪性腫瘍の放射線療法・化学療法に際して起こりやすい口腔粘膜炎や顎骨壊死といった副作用を予防することが挙げられる。口腔内には4000億個の微生物が、また歯垢1gあたりには数百億個の微生物が存在していることからも、手術やがん治療の前に口腔内を清潔にすることで、口腔感染源の合併症を防ぐことができる。また、全身麻酔手術中の気管チューブ挿入時・抜管時に生じる歯牙損傷や脱落事故を防ぎ、術後の摂食・咀嚼機能をケアすることで、経口摂取を早期に開始できるため、患者の早期離床、在院日数の短縮につなげることが可能になる。
開設日は4月1日。場所は、順天堂大学医学部附属浦安病院 口腔ケア室。対象は同院の入院患者の人。