2022年03月29日 09:26

抱樸は、3月、「2021 北九州SDGs 未来都市アワード」の大賞を受賞した。

抱樸は、1988年から福岡県の北九州市を拠点として、ホームレスの人の生活再建に対する包括的な支援を行ってきたNPO法人。生活困窮者への支援という実践の中で「住まい」の重要性に着目し、かねてから住宅支援に取り組んできた。特に、2017年から本格的に開始した「空き物件を活用した支援付き住宅事業」は、社会問題になっている空き家・空き物件問題と生活困窮者の住宅確保問題を同時に解決するモデルとして、全国的な拡大をしてきた。今回、この事業が、北九州市からSDGsに貢献する優れたモデルとして「2021 北九州SDGs 未来都市アワード」の大賞を受賞することとなった。

単身高齢者や低所得者の人に対しては、保証人の不在や家賃の支払いに対する不安などから、大家も部屋を貸しづらいという現状がある。他方、全国には800万戸の空き家・空き物件が存在し、社会問題になっている。そこで、生活困窮者の住宅確保問題と空き家・空き物件問題を同時に解決するために、抱樸は持続可能なモデルを考案。「大家から支援団体が一括で借り上げる」、「生活保護の最低基準住居扶助の金額で生活困窮者に支援団体が貸す」、「賃料と家賃収入の差額分で相談員を雇う」、「困窮者は就労や生活の相談しながら次のステップへ向かうことができる」、というモデルによって、大家は住宅確保要配慮者に直接部屋を貸し出す必要がなくなり、さらに相談員が常に住人とコミュニケーションをとることで「安心感」というメリットも創出される。

抱樸 / 北九州市