2022年03月17日 12:26

大日本印刷(DNP)は、活版印刷と本づくりに関する文化施設「市谷の杜 本と活字館」にて、企画展「100年くらい前の本づくり」を3月10日~7月10日に開催する。

「市谷の杜 本と活字館」は、は、活版印刷の職場を一部再現し、文字のデザインから、活字の鋳造、印刷・製本までのプロセスを展示・紹介するリアルファクトリー。昭和初期の印刷機が稼働する様子や活版職人が作業する姿も、実際の動きがわかる動態展示の形で公開しているほか、活版印刷のモノづくり体験ができる工房を備えており、今後は参加型ワークショップなども随時開催する予定だ。

明治初期、近代化をめざす日本に、海外からさまざまな新しい知識や技術が入ってきた。活版印刷・洋式製本もそのひとつ。本の形は、和紙を折って綴じた「和本」から、洋紙を糸でかがり、厚く固い表紙でくるんだ「洋装本」へと大きく変化した。本展では「改正西国立志編」などの黎明期の洋装本から、製本が機械化した昭和初期の本まで、その代表的なものを解体して、それぞれの製本方法を調べることで、日本に洋装本が定着していった過程をわかりやすく展示・紹介する。また、和本の技術でつくられた「なんちゃって洋装本」や、米国の教科書やパンフレットで使われていた「簡易製本」による文芸書など、過渡期だからこそ生まれた本の形について紹介。当時の製本職人が自分たちの技術と手に入る材料で試行錯誤した様子を知ることができる。

入場は無料(完全予約制)。会期は3月10日~10日。場所は「市谷の杜 本と活字館」2階展示室(東京都新宿区)。

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