2022年03月02日 15:49

長野県塩尻市は、2020年度から実証運行をしていたAI活用型オンデマンドバス「のるーと塩尻」を、4月1日から正式なサービスとして導入する。
「のるーと塩尻」は、利用者が乗りたい時にアプリで呼べる新しい「乗合バス」で、AIシステムが乗合い状況や道路状況に応じて車両に効率的なルートを案内するのが特徴。塩尻市では、1999年から民間委託によりコミュニティバス「すてっぷくん」を運行しているが、利用者ニーズの多様化に伴う需給のミスマッチなどを背景として、利用者数が減少。また、運行を担う事業者の立場としても乗務員の高齢化、担い手不足が深刻化し、サービスの持続性が低下している。同市では、これらの課題を解決するための手段として、地域振興バスと「のるーと塩尻」を組み合わせた効率的な交通網の構築を目指す。
また、同市では、「のるーと」単体でのサービスとして完結するのではなく、他の交通モードをマルチモーダルに組み合わせ、全国に横展開可能な官民連携のサービスモデルを構築することで、日本全国の中山間地域における交通課題の解決に寄与することを目指していく。
「のるーと塩尻」の本格運行に伴い、現在の地域振興バス「中心市街地循環線」を廃止。これに代わり、同路線エリアでは10月から運行している「のるーと塩尻」を4月1日から本格運行する。今後は運行エリアを拡大しながら市街地ゾーン全域での活用を検討していく。