2022年02月15日 19:33

日本科学未来館は、2022年4月に、研究者らとともに「理想の未来像」を考える常設展示ビジョナリーラボ第3期の新展示「セカイは微生物に満ちている」を公開する。身のまわりの微生物に目を向け、微生物と人間が豊かに共生する未来の暮らしについて共に考える展示となる。

私たちのまわりには細菌や菌類、ウイルス、原生動物など、目に見えないたくさんの微生物がいる。家や学校も、私たち自身の体にも多様な微生物が生息しており、絶妙なバランスを保ちながら独自の生態系を作り出している。しかし、清潔さを追い求めるあまり、これまで長い時間をかけてバランスを探ってきた私たちと微生物との関係が変化。免疫系の発達への影響や、抗生物質の不適切使用による薬剤耐性菌の発生など、健康や生活への影響も指摘されるようになった。

本展示では、身のまわりの微生物と私たちの関係性に焦点を当て、微生物の多様性の低下やそのリスクについて考える。展示空間の中央に実寸大の居住空間と庭園を設け、住空間での微生物を可視化。

そのほか、ドミニク・チェンさんをはじめとするFERMENT MEDIA RESEARCHによるぬか床ロボット「Nukabot」を展示。さらに、Mikiko Kamadaさんの微生物が植物を分解する様子をモチーフとしたアート作品など、さまざまなジャンルのコラボレーターの協力のもと、ビジョナリーが提案する微生物との共生社会の可能性を提示する。公開時期は2022年4月から約1年(予定)。