2022年01月18日 16:07

シャープは、固形状のものとして世界で初めて、密閉された空間を目標湿度に調節・維持できる調湿材「TEKIjuN(適潤)」を開発した。本商品は、液体調湿材を樹脂に染み込ませて固形状にすることで、液漏れのリスクをなくし、従来品と比べ扱いやすい調湿材としたもの

シリカゲルなどの乾燥剤は目標湿度への調節はできないため、過度な乾燥によって木材に歪みやひび割れが生じ、大切な物品が損傷する恐れがある。同社は、こうした課題を解決すべく、本商品を開発。電源を使用することなく、多湿時には吸湿、乾燥時には放湿することで、密閉された空間を目標湿度に調節・維持し、大切なモノを多湿や乾燥から守る。さらに、成分調整により40~90%RHの範囲内で任意に目標湿度を設定できるため、幅広い用途で利用できる。

「TEKIjuN」の形状は、「ビーズ型」と「シート型」の2種類を開発。「ビーズ型」は、固形状として世界で初めて、対象物に最適な目標湿度を設定した状態で提供できるので、工業製品や工芸品、嗜好品、食品などの保管用途に適している。一方の「シート型」は、吸放湿のスピードが速く、急激な湿度変動に対応できることから、電設、建材、輸送分野などにおける結露抑制シートとしての活用を想定。

本技術は、これまで多湿や乾燥によって劣化し、廃棄されていた資材や食料品の削減に向けて、有効な解決策になると考えられている。