2022年01月18日 09:53

日本財団、三菱造船ならびに新日本海フェリーは、1月17日、世界初となる大型フェリーによる無人運航実証実験を北九州市新門司から伊予灘の海域において行い、航行に成功した。

海の事故の減少、海運の人手不足の解消など、さまざまな課題の解決につながるものとして期待されている「無人運航船」は、ICTやAI、画像解析技術をはじめ、日本が世界に対し高い技術を生かすことができる「未来の産業」として期待され、研究・開発が進められている。日本財団が推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」は、2020年2月より5つのコンソーシアム(複数の民間共同体)と共同で、無人運航船の開発に取り組んできた。これまで開発を進めてきたさまざまな船種の無人運航船は、1月~3月にかけて、5つすべてのコンソーシアムで実証実験を行っている。

今回、無人運航船の実証実験に成功したのは、スマートフェリーの開発プロジェクト。新造船である大型フェリー「それいゆ」は2021年7月1日より運航を開始し、無人運航実証のためのデータの蓄積を行ってきた。同技術の開発は、船舶の自動化、省力化を実現する航海支援システムの開発に実績を有する三菱造船がシステム全体の統括を担い、実船のシステム要件設定と実証実験による運航を新日本海フェリーが担当。開発された技術は、内航海運における課題である安全性の向上、乗員負荷低減、オペレーションコスト低減に貢献することとなる。

日本財団